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 1920年代アメリカと日本の関係に暗雲が垂れ込めたころ、シドニー・ギューリック氏と渋沢栄一氏が民間の交流としての人形交流を行いました。
 シドニー・ギューリック氏(1世)は若き頃に(明治21年〜27年)来日。熊本県の教会や西日本各地の教会・学校で働きました。同志社大学で教鞭をとった時代にヴォーリズ氏と盟友となり、同志社カレッジソングを共作しています。米国に帰国後母国での日本人移民排斥運動に直面。両国の将来の平和を担う日米の子ども達の壁をつくらないようにと「日米友情人形交流」プロジェクトを旧知の渋沢栄一氏と企画・実行しました。
 1927年(昭和2年)横浜港へ12,739体の人形が到着し、日本全国の小学校、幼稚園へ配られました。ヴォーリズ氏もアメリカ側の全権代理として滋賀県での贈呈役を務めました。八幡小学校での盛大な贈呈式典の写真が、近江兄弟社の機関誌「湖畔の声2021年5月号」に掲載されています。
 その後第2次大戦中に、この人形は敵国のスパイなどとして、軍部からの圧力で子ども達に竹やりで突かせたり火に放り込ませたりという教育が行われ、その多くが処分されました。しかしそれらの内の、約三百数十体が現存し、そこには人形を必死で守った多くの物語が語り継がれています。滋賀県では、大津市の平野小学校、彦根市の稲枝北小学校、甲賀市の甲南第二小学校、日野町の日野小学校に現存しています。

 この度お孫さんのシドニー・ギューリック氏(3世)が、ヴォーリズ学園と滋賀YMCAに人形が存在しないことを聞き、ぜひ人形を贈りたいとの申し出があり、子ども達への平和教育としてぜひ頂戴したいと返信をしました。そしてヴォーリズ学園と滋賀YMCAが共同して人形の受け入れイベントを企画することとなりました。
 このことを小さな子ども達から障壁を取り除いて真の「平和」を生み出そうとしたギューリック氏・渋沢栄一氏・ヴォーリズ氏の『日米人形交流』の魂を学び、私たち自身が今の世代の子ども達に「理解」「平和」「愛」を自ら大切であると学んでいただく機会として現代に改めてとらえようと考えます。
 人形をいただくこと自体がねらいではなく、そこに向けての準備と取り組みの中で生徒たち若者たちが学び考え価値観として平和の大切さを学ぶことが重要であると考えます。また滋賀県下の学校の「命を大切にする教育」「平和教育」のネットワークづくりの機会となることを願います。

*「青い目の人形」という歌は1921年に野口雨情の作詞ですでに発表されていた童謡で、この影響で人形交流は青い目の人形交流といわれますが、現実アメリカは多民族国家でその時代、送られた人形もいろいろな目の色、髪の色をしていたはずです。我々はグローバルの社会において「人形交流」と現わしてゆきたいと考えます。また今回は日本からは答礼人形を贈るとは考えず、子ども達の取り組みを形にしてお返しする予定です。


シドニー・ルイス・ギューリック
(Sidney Lewis Gulick 1860 – 1945年)

 1888年(明治21年)から1894年(明治27年)まで宣教師として熊本に派遣され、伝道の傍ら熊本英学校にて英語の教鞭を執った。そののち四国の松山高等女学校や旧制中学や師範学校の教師をつとめ、同志社大学神学部教授、京都帝国大学基督教講義講師の職を勤めた。体調を壊し療養のために帰国した際、日本移民排斥運動に遭遇、対日啓蒙活動、また日米親善を目的とする民間外交に尽力し、「日米友情人形交流」いわゆる「青い目の人形」の贈答活動を渋沢栄一と行う。
 1987年からは、祖父シドニーの活動を知った孫のギューリック3世(メリーランド大学教授)が、その遺志を受け継いでこれを復活させ毎年友情人形を日本各地の小学校、幼稚園などに贈っている。


渋沢栄一
(しぶさわ えいいち 1840 – 1931年)

 江戸時代末期に農民(名主身分)から武士(幕臣)に取り立てられ、明治、大正、昭和期にかけて活躍した日本の実業家で、近代日本資本主義の指導者。明治政府では造幣・戸籍・出納など様々な政策立案を行い、初代紙幣頭、次いで大蔵省三等官の大蔵少輔事務取扱となる。退官後は実業界に転じ、第一国立銀行(現・みずほ銀行)や東京商法会議所(現・東京商工会議所)、東京証券取引所といった多種多様な会社、経済団体の設立・経営に関わった。それらの功績を元に「日本資本主義の父」と称される。
 同時に東京養育院等の福祉事業、東京慈恵会等の医療事業、現・一橋大学現・東京経済大学等の実業教育、東京女学館などの女子教育などの私学教育支援や国際交流、民間外交の実践等にも尽力した。シドニー・ルイス・ギューリックとともに「日米友情人形交流」を行った。


ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
(William Merrell Vories 1880 – 1964年)

 アメリカ合衆国に生まれ、1905年に米国YMCAより日本に派遣、滋賀県立商業学校(現滋賀県立八幡商業高等学校)の英語科教師となる。日本で数多くの西洋建築を手懸けた建築家、社会事業家、信徒伝道者。建築家でありながら、近江兄弟社の創立者の一人としてメンソレータム(現在はメンターム)を広く日本に普及させた実業家でもある。またYMCA活動を通し、「近江ミッション」を設立し、信徒の立場で熱心にキリスト教の伝道に従事した。教師時代に生徒を導き1907年に近江八幡YMCAを創設、現在の滋賀YMCAの基礎となる。讃美歌や同志社カレッジソングなどの作詞作曲を手がけ、ハモンドオルガンを日本に紹介するなど、音楽についての造詣も深かった。
 シドニー・ルイス・ギューリックと深い親交があり、1927年の「日米友情人形交流」ではアメリカ側の代講として県内のプレゼンターを務める。

日米友情人形交流2021「歓迎会」

日時

2021年12月24日(金) 午前10時~11時30分

場所

ヴォーリズ学園平和礼拝堂

内容

・感謝礼拝
・オンラインでのギューリック氏との交流
・生徒や会員たちの発表
・吹奏楽部演奏
・ハンドベルとトーンチャイムの演奏
・現存人形との面会(平野小学校、甲南第二小学校、日野小学校、稲枝北小学校)
・関係者との交流

◎主 催
(学法)ヴォーリズ学園、(一財)滋賀YMCA

◎後 援
滋賀県、滋賀県教育委員会、大津市教育委員会、近江八幡市、近江八幡市教育委員会、彦根市教育委員会、守山市教育委員会、東近江市教育委員会、甲賀市教育委員会、日野町教育委員会、在大阪・神戸アメリカ総領事館、NHK大津放送局、(公財)滋賀県国際協会、ワイズメンズクラブびわこ部、近江兄弟社グループ(一部申請中)      

ヴォーリズ学園・滋賀YMCA 日米友情人形交流ニュース

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お問い合せ

ヴォーリズ学園・滋賀YMCA「日米友情人形交流2021」実行委員会事務局
〒523-0891 滋賀県近江八幡市鷹飼町537−3 滋賀YMCA内
Tel. 0748-33-2420